「うちの子、言葉が遅いような気がして・・・」という1~2歳代の子供を持つ親からの相談をよく受けます。言葉の発達は、個人差がとても大きい分野です。発語の標準的な発達を表に示します。
発達の遅れを問題にする場合は、90%を基準とすることが多いようですが、言葉に関してはスクリーニングの目安にするには高すぎます。「有意に(病的に)遅い」とは98%タイルであり、その項目ができない場合、病的と考えてよさそうです。
表から、単語2コの98%タイルは1歳5ヶ月です。1歳半検診で2%以下の児が陽性ということになります。2語文に関して90%タイルが2歳4ヶ月です。98%タイルのデータがありませんが、3歳で2語分ができるレベルは98%以上と思われます。【1歳半での単語2コ、3歳での2語文】の可否がおおまかな言葉の有意な遅れと考えてよいでしょう。
しかし、実際には言葉の発達の個人差の幅はもっともっと大きいようです。2歳半頃になって、やっと有意後が出始めてその後、行動面も全く問題なくちゃんと追いついてゆく子や、3歳のお誕生日を過ぎてわずか2週間か1ヶ月くらいの間に、一挙に単語が出て、あっという間に文章をしゃべり始める、などさほどまれでないからです。
しかし一方、軽度発達障害(LD・ADHD。広汎性発達障害)の子供たちは、乳児期に「言葉が遅い」「落ち着きがない」「コミュニケーションがとりづらい」など、ことばやコミュニケーションの問題を示すことが多いのも事実です。1~2歳代で「言葉が遅い」と心配されるお子さんの場合、一応4つの点をチェックしておく必要があります。
以上4つがクリアーできているようならまず心配はいらないでしょう。お話しできる日を期待して待ちましょう。