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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

あおむけ寝とうつぶせ寝

私たちは、何気なく布団の上に赤ちゃんを「あおむけ」にしておきます。いろいろな動物をみても、ヒトの赤ちゃんのあおむけはとてもユニークな姿勢のようです。

ヒトは、あおむけになって手で足先をつかむ(5ヶ月)、おすわり(7ヶ月)、ハイハイ(9ヶ月)、しゃがむ(1歳過ぎてから)、という順序で発達していきますが、サルは順序が違い、生後1週でハイハイ、1ヶ月でしゃがむ、4ヶ月でおすわりができるようになります。しかしあおむけで手で足をつかむということはしません。

すなわちサルは、ハイハイ、しゃがむといった手足を地面につけて体を支える姿勢が早く発達するのに対し、ヒトはあおむけ、おすわりといった胴体で体を支える姿勢が先に発達します。

赤ちゃんは、あおむけの姿勢をとることで早い時期から手を自由に動かせるようになったわけです。この姿勢が、ヒトの知性の発達に重要な役割を果たしているようです。

このことからみても、赤ちゃんはあおむけで寝ることが自然なのかもしれません。

一方、うつぶせ寝は「頭の形がよくなる」「寝つきがよい」といった理由で、1980年代初め注目をあび、一代ブームになったことがあります。しかし、80年代後半に赤ちゃんの突然死(SIDS)と関係あるというオランダ、イギリスからの報告があり、92年アメリカですべての健康な赤ちゃんは、あおむけ寝にするよう学会誌に勧告が出され、94年には「あおむけ寝キャンペーン」が国を挙げて行われました。その結果、突然死の頻度が減少しました。

最近は、お母さん方は、うつぶせ寝の危険性についてよく理解されているようで、できるだけあおむけに寝かしているようです。

しかしあおむけ寝でに寝かしつけても寝返りしてうつぶせになってしまう、どうしてもうつぶせでしか寝ない赤ちゃんもいます。このような赤ちゃんにどのように対処したらいいのでしょう。

米国消費者製品安全委員会(CPCS)のうつぶせ寝に対する警告で、

  1. ベッドはアイロン台の型さ
  2. シーツはピンと張る
  3. 枕はつかわない
  4. 短い袖の衣類を使う
  5. 何かで顔をおおうことがないようにする
  6. あおむけ寝以上の注意をそそぐ

としています。
寝返りができるようになると、赤ちゃんは自分の好きなかっこうで眠るようになります。あおむけ寝が好きな赤ちゃんもいれば、うつぶせ寝が好きな赤ちゃんも、いつも同じ方向をむいて眠っている赤ちゃんもいます。

この時期になると無理に寝方を直す必要はありませんが、うつぶせ寝の時の基本的な注意は守ってください。

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