乳幼児に流行する夏かぜの一種で、夏に流行し、潜伏期間は2~5日です。38℃~40℃の
発熱が1~3日続き、のどの痛み、のどの奥ののどちんこの横に水泡ができ、破れて潰瘍
になり痛みます。痛みのために物を食べることができず、唾液も飲み込みづらく、よだれ
が多くなります。
のどの潰瘍は1週間ぐらいで自然に治ります。なるべく刺激のない食べ物を与え、水分補給
を心がける以外、特別な治療はありません。原因ウイルスは、
コクサッキーA群のうち比較的番号の若いウイルス(2~8、10型など)がほとんどです。
主に乳幼児にみられる夏かぜの一種で、春から夏に流行します。手足口病は名前のとおり、
手のひら、足の裏、口の中に小さな水泡をもった発疹がでます。ときに下腿、膝、おしり
にも見られます。潜伏期間は3~5日で、原因ウイルスは、コクサッキーA16とエンテロ
ウイルス71がほとんどで、唾液や便、水泡疹を介して口から感染します。
口の中に発疹ができるので、痛くて食欲が落ちます。固いもの、辛いもの、酸っぱいものは避けて、
ぬるめの口あたりの良いものをあげてください。特別な治療はなく、1週間ぐらいで治り
ますが、シャワーくらいにして入浴は水泡が消えてからにしましょう。症状がなくなって
もウイルスが便中などに長期間(1ヶ月以上)でること、また感染しても発症しない(不顕性感染)
子どもが多いことから、手足口病は、かかっても保育園、幼稚園を休む必要はありません。
エンテロウイルスは、夏季に流行するウイルスの代表で、ポリオウイルス群、コクサッキー
ウイルスA、B群、エコーウイルス群、エンテロウイルス群の5つのグループと60種の
血清型に分類されます。そのおもな感染経路は、糞口(fecal-oral)感染によるヒト-ヒト
感染です。ウイルスは、通常の環境においては容易には失活せず、長期間感染する力があります。
ウイルスは体内に侵入後、腸管で増殖し、その一部が血液の中に入り、ウイルス血症をおこし
ます。血液を介して様々な臓器に運ばれ、各臓器で再び増殖して組織障害をひきおこし、
ヘルパンギーナ、手足口病などの様々な臨床症状をきたしてきます。呼吸器系へのウイルスの
排泄は通常1週間未満ですが、糞便への排泄は発症から数週間持続するとされています。
ヘルパンギーナや手足口病の流行中は、臨床症状の有無にかかわらず、便の取り扱いに十分な
注意が必要で、まめな手洗いがもっとも重要となります。