3歳児の1日の平均睡眠時間は10時間であり、このうちレム睡眠の占める割合は20~25%といわれています。日本保健協会の調査によると、夜10時以降に寝る3歳児の割合は1980年が22%、90年が36%、2000年が52%となっています
最近の足立区の調査でもこの割合は、56.7%であり、子どもたちの「遅寝」が急速に進行しています。熊本でも同じような調査結果が出ており、遅寝の地方差はないようです。欧米では午後10時過ぎまで起きている3歳児は1~2割に過ぎません。日本の子どもたちだけの遅寝遅起きが際立っています。
このリセットにもっとも大きな影響を与える因子が朝の光だといわれています。
夜の光はこの位相を後退させる作用があります。すなわち夜間の明るい環境は、25時間体内時計の周期をさらに延長させる可能性があります。睡眠物質であるメラトニンというホルモンは、暗い時に分泌され、光により抑制されます。
夜間の明るい環境がメラトニンの分泌を抑制することが心配されます。メラトニンには抗酸化作用や性腺抑制作用があり、一生のうちで1~5歳ころもっとも分泌がさかんだとされています。
遅寝で生体リズムのリセットに重要な朝の光を浴びる機会を失っていると、いわゆる時差ボケと同じような状態になります。すなわち眠気があるのに眠れない、疲れやすく、食欲もなく、活気がなく、当然学習能力にも影響してきます。