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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どもの睡眠(1)

最近の調査で、子供の平均睡眠時間は、1歳で9.6時間、3歳で9.8時間、小学3・4年生で9.2時間、中学生で7.5時間、高校生で6.6時間となっています。睡眠にはリズムがあり、体内時計や睡眠物質(メラニン)によって、日中は目覚め、夜間は眠るように調節されています。しかしこのリズムが乱れ、心地よい睡眠がとれなくなると様々な影響がでてきます。

今日、子どもたちを取り巻く生活環境は、親が育った頃とは大きく変化しています。「夜10時以降に就寝する子ども」の割合は、すでに1歳6ヶ月で55%と半数をこえ、こどもの生活時間の夜型化が顕著になってきています。

欧米では、午後10時過ぎまで起きている3歳児は1~2割に過ぎません。10年、20年前と比較しても「夜10時以降に寝る子ども」の割合は、各年齢において確実に増加しています。

小・中・高校生の調査では、学年が進むにつれて就寝時間が遅くなり、睡眠時間が短くなり「睡眠不足を感じている生徒」が増加しています。1979年には保育園児の8.1%が朝からあくびをし、10.5%がすぐに疲れたと訴えていました。

しかし2000年にはこの数字は、それぞれ53.2%と76.6%に上昇しました。また2004年東京の小学5・6年生の5~6割、中学生では7~8割が3.4時間目に眠気を訴えています。眠気が強くなる時間帯は、午前4時前後と午後2時ころといわれています。脳と身体が一番活発になるのは午前10~12時であり、この時間帯に眠気がある場合は、眠りに問題があり、生活リズムを考えてみる必要がありそうです。

日本小児保健協会が「子どもの睡眠に関する提言」をしています。

  • 乳児がいる家庭に対して

    親の生活習慣は、そのまま子どもに影響します。小さいころから夜更かしの習慣をつけないようにしてください。この時期は、成長に必要なホルモンが睡眠中にたくさん分泌されるので、良質な睡眠をとることは、とても大事です。

  • 小学生がいる家庭に対して

    低学年では、幼児期に引き続いて規則正しい生活を築き、毎日、快い睡眠がとれるように配慮することが大切です。中・高学年になると、塾や習い事などが生活時間の一部を占めることも多くなります、1日24時間の中で、睡眠時間をどのように確保するかについて、お子さんと話し合ってみましょう。子供自身が納得した上で、目標を持って自分自身の生活時間を設計できることが望まれます。

  • 中・高校生がいる家庭に対して

    自我が確立し、親の考えにしばられず、自分なりの生活のスタイルを築くことを望む年代です。したがって、それまでにどのような生活習慣を築いておけるかが鍵になります。塾に通う生活、テレビゲームやインターネット、深夜放送など夜遅くまで起きている傾向に陥りがちです。自分で考え、適切な睡眠がとれるように、理由を説明して、助言してあげましょう。それを選択するのは本人ですが、やがては健康的な生活習慣を営めるようになることを信じて、言葉をかけ続けましょう。

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