5才までの子どもが熱のためにひきつけることはまれではありません。上気道炎などの病初期に急に体温が上がる時におこり、多くは3分以内におさまり、意識障害も改善します。
あわてずに、よく冷やしてあげて解熱剤を使用し、夜でしたら翌日の受診でかまいません。しかし熱のためと思っていたけいれんの中にこわい病気が潜んでいることがありますので要注意です。
次のような場合は、単なる熱性けいれんではない可能性があり、至急の対応が必要となります。
- けいれんが10分以上続く場合
多くのひきつけは、数分以内におさまります。5分以上続く場合は、迷わず救急車を。
- 1回の発熱で、2回も3回もけいれんがおこる場合
心配のない熱性けいれんは、1回の発熱で発作は1回です。何回もけいれんをおこすときは、至急受診を。
- 高熱を伴わないとき
激しく泣いている途中でおこす憤怒けいれん(泣き入りひきつけ)は心配ありませんが、たいした熱がないのに、突然意識を失って体を突っ張るようなけいれんがみられたら、至急受診を。
- 生後6ヶ月未満のけいれん
普通6ヶ月未満で熱性けいれんをおこすことはありません。6ヶ月未満では、けいれんがおさまっても至急受診を。
- 5歳以上で初めてけいれんをおこした場合
それまでの既往がなければ、5歳を過ぎるといくら高熱をだしてもひきつけるということはまずありません。5歳以上ではじめてけいれんがみられたら、けいれんがおさまっても、早めの受診を。
- けいれんが左右対称でない場合
普通の熱性けいれんは、片方だけということはありません。片足だけがけいれんしている、片腕だけがつっぱっているが逆の腕はダラッとしていて力がまったく入っていないなどのように、けいれんが左右同じようでない場合は、大至急受診を。
- けいれんのあと、意識がなかなか戻らない場合
けいれんのあと、しばらくしても呼びかけにも答えず、意識がはっきりしていなかったり、なかなか戻らないときは、至急受診を。