母親から移行した免疫物質(IgG)や母乳からの免疫物質(IgA)が生後3~6ヶ月くらいから減少してくると、赤ちゃんはいろいろな感染症にかかりやすくなります。赤ちゃんがはじめて熱を出した場合、お母さんはそれだけでとても不安です。すぐ病院に連れて行ったほうが良いかどうか悩みます。
一般的に熱だけで機嫌もよく、おっぱいの飲みも普段とさほど変わりなければ緊急ということはまずありません。赤ちゃんはすぐ39℃以上の熱になりますし、熱の高さイコール重症ということではありません。熱の高さよりも大切なことは、機嫌がどうか、水分はとれているかということです。
しかし赤ちゃんの発熱は、その子の月齢によって注意が必要です。
一般に生後3ヶ月くらいまでは発熱することはあまりありません。とくに生後1ヶ月前の発熱は、それ自体が異常であり、なるべく早く受診する必要があります。月齢による対応のしかたの目安は
はじめての発熱の場合、突発性発疹症のことが多いようです。
これはヘルペス6ないし7型というウイルスによる感染症です。生後2才までにはほとんどの児がこのウイルスに対する抗体を持つ(感染する)とされています。
3~4日高熱がでた後、解熱してくると全身に発疹がでて終わります。機嫌はそれほど悪くならないと医学書には記載されていますが、とても不機嫌で泣いてばかり、水分もあまり飲んでくれないこともあります。
高熱のためけいれんをおこすことがあり、とても心配な状態が続きます。やっかいなのは、診察時に決め手となる所見がないことです。突発疹の可能性がありますが…とにかく経過をみましょうということになります。
熱が下がり発疹が出てはじめて突発疹という診断がつきます。医者もお母さんもひと安心です。突発性発疹症以外に小さな赤ちゃんの場合、発熱の原因として中耳炎、腎盂腎炎などがあります。耳の診察、尿検査などが必要となります。