『ゆさぶられっこ症候群』聞いたことありますか?乳児の脳は頭蓋骨の発達に比べて未発達のため、脳表面と頭蓋骨の間にスペースがあります。ゆさぶられっこ症候群とは、赤ちゃんの頭が強くゆすられることによって、脳と頭蓋骨の間に走っている血管が切れてしまい脳出血を起こし、重篤な神経症状を引き起こすものをいいます。
もともと虐待との関連で問題となっていたものですが、普通にあやしていたつもりが大変なことになってしまった事例が報告され注目されるようになりました、とはいってもまだ広く認識されてはいないようです。
硬膜下血腫またはクモ膜下出血、網膜出血があり、体表の外傷が軽微またはない、ことなどを診断の基準としています。
首がすわる生後4ヶ月ころまではだれしも壊れ物を扱うように赤ちゃんに接します。首がすわっていろいろ知恵がついてくると、赤ちゃんはあやしてもらうととても喜びます。とくに大きくゆすってもらったり、「たかいたかい」など大好きで、きゃっきゃとはしゃぎます。私も自分の子どもに「たかいたかい」をしてよく遊びました。
ただ高く上げるだけでは物足らず、かなり上まで放り上げるような乱暴な「たかいたかい」をしたこともありました。
「たかいたかい」をすごいスピードで繰り返したり、高く放り上げたり、ふざけて赤ちゃんの体をパッと逆さまにしたりすることで、赤ちゃんの頭は前後に激しくゆすぶられます。このような乱暴な取り扱いが『ゆすぶられっこ症候群』を引き起こしてしまう可能性があります。
具体例として4、5のように明らかに虐待と思われるものもありますが、1~3のように親の認識不足から『ゆさぶられっこ症候群』を引き起こしてしまうケースがあります。
普通にあやすのはもちろん大丈夫です、そっとやさしくあやしてあげましょう。1歳を過ぎてくると脳の発達とともに脳表のスペースもなくなってきますから、出血を起こすことは少なくなります。だからといって頭に強い衝撃を与えていいわけはありません。転んで頭を打たないよう周囲が十分注意してあげましょう。