生まれて2~3日の赤ちゃんの脇をもって上体を軽く前方に傾けると、両足を交互に出してあたかも歩くような動きが見られます。「自動歩行」「原始歩行」あるいは「歩行反射」と呼ばれています。
興味深いことに生後2~3ヶ月で、この「原始歩行」は消えてしまいます。そして赤ちゃんは、生後1年を迎えるころ、ある日突然、一人で立ち上がり、2足歩行を始めます。
歩行の発達モデルは4段階にわけて説明されています。
ハイハイと同じように、歩き始める時期にも大きな個人差があります。
たいていの育児書には、「1歳のお誕生日を迎えるころには一人立ちや一人歩きができるようになります」と書いてあります。
しかしこれは平均してこのくらいの時期になるとできるようになるという意味であり、まれに7ヶ月ころから歩き始める赤ちゃんもいますし、1歳半ころにやっと歩き始める場合もあります。普通より早く歩き始めたからといって、その後の運動能力の発達がすばらしいということはなく、その逆もないようです。
1歳になっても歩き出さないからといって心配することもなく、周囲への関心、表情や動作のものまね、言葉の発達などに特別な異常がなければ時期が来れば歩くようになりますし、問題なく成長していきます。あせらず十分お遊びをしてあげてください。
歩き始めはよく転びますし、歩き方も不自然なことがありますが、そのうち自然と気にならなくなることがほとんどです。O脚がかなり目立つこともありますが、多くは治療を必要としません。
定期の乳児検診を利用して、歩行の状態をチェックしてもらうことが不安を解消するもっとも良い手段かと思います。