2歳以上の子どもや大人がマスクをして生活することが当たり前になっている毎日の暮らし、 この環境が乳幼児の言葉やコミュニケーションの発達、心理的な影響などを心配する声が 上がっています。
脳の発達には「感受性期」と呼ばれる環境の影響をとくに大きく受ける特別な時期があります。 たとえば視覚情報をつかさどる視覚野は、生後8ヶ月ごろから就学前くらいまで環境の影響を 受け発達していきます。「他者の動く表情」を目にする日常生活は、乳幼児の脳と心の発達に とても重要です(京大、明和先生)。
乳児は、目や口が動く表情を目にしながら相手の感情を 理解する能力を発達させていきます。また発する音声とそれに伴う口の動きを見ながら言葉を 獲得していきます。相手の表情を理解し、共感する心などを発達させていきます。五感を通じた 経験が子どもの脳の発達には不可欠であり、マスクで口元が隠れてしまうと、相手の感情を 理解する力や共感する心がつきにくくなるばかりか言語の獲得にも影響する可能性があります。
長期に及ぶマスク着用が子どもたちの脳と心の発達に与える影響は想像以上に大きいかもしれません。 子どもが表情に触れる機会を増やしてゆくことが大切で、マスクを外した時間、たとえば家庭 では、家族が意識して豊かな表情で接してあげてください。
2歳以上の就学前の児に、オミクロン株を踏まえた対策として、これまで着用をすすめてきた 対応を見直し、人との間隔が取れない場合を含めてマスク着用を「一律に求めることはしない」 としています。
マスク着用が推奨されている小学生では?
<小学生のマスクが不要な屋外での場面>
・屋外の体育の授業(グラウンドやプール)
・屋外での休憩時間の運動遊び(密にならない鬼ごっこなど)
・熱中症リスクの高い登下校(十分な距離を確保して会話を控える)
<小学生のマスク着用指導が必要な屋外での場面>
・公共交通機関での通学(バスや電車など)
学校の屋内でのマスク着用は、これまでの方針と変わっていません。
ちなみに大人は、「屋外では必ずしも必要ではない」とし、例えば公園での散歩やランニング など、周囲の人との十分に距離が取れる場合や距離が確保できなくても周りで会話が少なければ、 必ずしも着用は必要ではないとしています。