10代のスマホ利用時間は、平日で一日119分、休日で194分となっています。(2014、総務省)。 この数値はあくまで平均的なので実際はもっと多くの時間スマホを使っている子どももたくさん いるのでしょう。
この現状に脳科学でよく知られている東北大学の川島隆太先生は、仙台市の 7万人に及ぶ小、中学生の調査から、スマホと学力低下に相関関係があることを指摘し、スマホの 仕様方法について警鐘を鳴らしています。
図はスマホの一日の使用時間と数学の学力テストの正答率の関係を示しています。また驚くことに 「2時間以上勉強していながらスマホを4時間以上使っている子」の平均点が「30分未満しか勉強して いないけど、スマホを使わない子」の平均点より低い。スマホを持っていない子どもと、毎日スマホ を2~3時間使う子と比べると、勉強時間がほとんど変わらないにも関わらず、テストの平均点が10点 以上違うという結果になっています。うちの子は、「スマホを持っているけれど、その分しっかり 勉強もしているから大丈夫」という考えを覆す結果であり、単に勉強時間が削られるから学力が低下 するというわけではなさそうです。
ではスマホを使うとなぜ勉強していても成績が低下するのでしょう。
その原因は、勉強の質にありそうです。やはり仙台市の中学生の調査ですが、勉強中にスマホを使って 音楽を聴く子どもが60%、無料動画を見る子どもが30%、無料通話アプリを使う子どもが30%いたそう です。勉強に集中できない原因にスマホが大きく影響しているようです。一日に1時間程度のスマホの 使用であれば、とくに学力に影響はなさそうです。
スマホの使用時間は、一日1時間以内とすることが望ましく、勉強中、睡眠時にはスマホの電源を切るなど、 家庭内でスマホ使用のルールを作ることが大切です。