平成14年東京都内の保健所で、1~3歳の児を対象におしゃぶりの使用についての調査が行われました。おしゃぶりの使用経験は約40%で。その内の70%近くが生後0~3ヶ月の内に使用が開始されています。
1歳2ヶ月で27.4%、2歳で20%弱、3歳で3%が継続していました。
おしゃぶりの使用について、最近、小児科と小児歯科の保険検討委員会でおしゃぶりの望ましいあり方について検討されています。その結果を紹介しましょう。
おしゃぶりを使用している子どもは、使用していない子どもと比較して出っ歯(上顎前突)や開咬(奥歯をかんでも前歯がかみ合わない)などが高頻度にみられる。この傾向は1歳6ヶ月、2歳でもみられるが、おしゃぶりをやめるとかみ合わせの異常は改善しやすい。しかし乳歯が生えそろう2歳半、さらに3歳すぎまで使用しているとかみ合わせの異常が残ってしまう。
利点としては、精神的な安定、簡単に泣きやむ、静かになる、入眠がスムーズ、母親の子育てのストレスが減るなどがあげられる。おしゃぶりの宣伝に使用されている「鼻呼吸や舌やあごの発達を促進する」は現時点では学問的に検証されていない。(しかし今年米国小児科学会が発表した乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防する新ガイドラインでは、最近の研究からおしゃぶりがSIDSのリスクを減少させることが示されたため、「生後1年間は乳幼児の昼寝を含め、寝かし付けるときには常におしゃぶりをくわえさせることを推奨しています。)
欠点としては習慣性になりやすく、長期間使用するとかみ合わせが悪くなる。子どもがどうして泣いているのかを考えないで使用することになり、あやすのが減る・言葉かけが減る・ふれあいが減る・発語の機会が減るなどがあげられる。
結論 おしゃぶりはできるだけ使用しない方が良いが、もし使用するならかみ合わせの異常を防ぐために、次の点に留意する。