こどもとスマホその① 子どもとインターネット環境 click to collapse contents
スマートフォン(以下スマホ)が日本に上陸したのは平成20年といわれています。それから10年余が経過し、 スマホやタブレット端末は爆発的に普及しました。内閣府が毎年実施している「青少年のインターネット 利用環境実態調査」によると、小学生(10歳以上)23%、中学生54%、高校生94%がスマホでインターネット を利用しています。その内容は、動画視聴が77%、ゲーム70%と多く、勉強などに利用しているのは33%とかなり低くなっています。インターネットの利用時間を表に示します。
現在、ネット環境は子ども社会においても、遊び、人間関係、生活習慣において大きな変化、影響を与えています。 とくに長時間の使用が、ネット依存などのさまざまな精神、健康障害を引き起こし大変危惧されています。
2015年、小児医療保健議会は「子どもとICT(スマホ、タブレット端末など)の問題についての提言」を発表しています。
健康への影響として、
①長時間使用による影響
- VDT(Visual Display Terminals)症候群(ディスプレイなどの画像表示端末を使用した作業を長時間続けることにより、眼、体、心にさまざまな症状をきたす病気)
- 睡眠、運動など生活時間が不足することによる健康障害(ネット依存症)
②内容による影響
- ゲーム依存
- 行動、メンタルヘルスへの影響
③情報伝達手段に対する影響
- コミュニケーション能力への影響
- 社会性の発達への影響
日本小児科医会は、「スマホの時間、わたしは何を失うか」というポスターを出しました。
- 睡眠時間…夜使うと睡眠不足になり、体内時計が狂います。
- 学力…スマホを使うほど、学力が落ちます。
- 脳機能…脳にもダメージが!
- 体力…体を動かさないと、骨も筋肉も育ちません。
- 視力…視力が落ちます(外遊びが目の働きを育てます)。
- コミュニケーション能力…人と直接話す時間が減ります。
これから数回にわたって、スマホと子どもの関わりについて、考えてゆきます。
