近年、ピーナツあるいは卵について、むしろ早く食べさせた方が食物アレルギーは減るのではないかと いう仮説のもとに試験が行なわれ、最近、決着がつきました。
ピーナツアレルギーを予防するためにピーナツを乳児期から食べさせた子どもと、5歳までピーナツ を除去した子どもについて比較した結果、乳児期からピーナツを食べていた子どもの方が、5歳まで ピーナツを除去した子どもよりもピーナツアレルギーは少ないことが実証されました。(図左)
また、卵アレルギーについても同様で、生後6か月から卵を少量食べた子どもたちと、生後1歳まで 除去した子どもたちで検討したところ、生後6か月から卵を食べ始めた子どもの方が、生後1歳時の 卵アレルギー発症率が約8割少ないことが分かりました。(図右)
①皮膚の炎症(乳児湿疹)を保湿剤の塗布などでできる限り防ぐこと。
アトピー性皮膚炎発症後は、できるだけ早く治療して経皮感作を防ぐこと。
②離乳食が始まるのは一般的には生後6か月ですが、その時期になったらなるべく早く、 かつ少量ずつ卵などを与えるようにする。 これにより経口免疫寛容を誘導させることで、食物アレルギーを予防できる可能性が高くなります。食べ始めは、慎重に少量から開始する必要はありますが、従来のように 「念のため摂取開始を遅らせる」のは決して予防にはならないことがはっきりしています。