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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

小児とピロリ菌(その①)

胃がんの原因となるピロリ菌を取り除く「除菌」の保険適応が2015年、慢性胃炎にも拡大され、検査や除菌を受ける人が増えています。

「ピロリ菌が陽性で除菌のため薬を飲みました。子どもに感染していないか心配です。子どもは検査した方が良いでしょうか?」このような質問を受けることがあります。

日本では人口の約半数6千万人がピロリ菌に感染しているとされ、高齢になるほど感染率が高くなります。(50歳代で7〜8割)。18歳以下の小児の感染率は3〜5%と言われています。

一度感染すると自然になくなることはなく、除菌しないと一生胃の中に住み続けるため、胃の疾患のリスクは高まります。一般にピロリ菌がいても無症状のことが多く、症状や疾患が見つからない限り気がつかないケースがほとんどです。

小児のピロリ菌の感染経路は、約80%は家庭内感染(母子間の水平感染)で、主に小さい子どもに親が食べ物を噛み砕いて口移しであげることが原因とされています。親がピロリ菌に感染していても自覚症状がないことが多く、気がつかないうちに子どもに移してしまっているということです。

ピロリ菌に感染している小児のほとんどが無症状です。学童期以降、ピロリ菌感染による疾患として胃炎、胃・十二指腸潰瘍、特発生血小板減少症があり、さらに近年、年長児の原因不明の鉄欠乏生貧血との関連性が確認されています。なぜ貧血をきたすのか?ピロリ菌が鉄の吸収を阻害する、 ピロリ菌の増殖に鉄が使われてしまう、などの可能性が考えられています。鉄剤の服用で改善しない場合や再発するケースはピロリ菌感染を考慮する必要がありそうです。

小児のピロリ菌検査(内視鏡を用いない検査が中心)

  • 便中ピロリ菌抗原検査は精密度が高く、全年齢で検査可能
  • 血液、尿の抗ピロリ抗体検査は10歳未満では感度が低く偽陰性となる可能性があり、年少児には単独の検査は不適
  • 尿素呼気試験は、呼気の採取やうがいができる年齢での精度は高い
  • 除菌判定は、尿素呼気試験または便中ピロリ菌抗原検査

子どもは症状が出てからの検査でOK

ピロリ菌は胃がんの原因になる恐ろしい菌ですが、子どもは胃がんになることはなく、神経質になることはありません。年少児では抗体ができにくく、 検査が偽陰性になる可能性があり、後に再感染するケースもあることから、年少時期に検査する必要はありません。家族に胃がんの方がいたり、 検査が陽性で除菌した人がいる場合、お子さんの検査は中学〜20歳ぐらいで行うことが勧められます。検査で陽性の場合、症状がなくても除菌する 必要があります。除菌後再感染することはほとんどなく、(2%以下)、除菌しておけば一生ピロリ菌の不安から解放されることになります。

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