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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

でべそ

生れたときは気づかなかったのですが、泣いた時などにおへそがポコッと盛り上がっているのに気づき、 心配されることがあります。これは「でべそ」、正式には臍ヘルニアといいます。でべそはそれほど 珍しいものではなく、赤ちゃん全体の10%くらいみられ、低出生体重児ではさらに頻度が高くなります。

生れるとへその緒(臍帯)を切ります。すると赤ちゃんに付着していた臍帯の血管が収縮し、 徐々に縮んでゆきます。それに伴って臍帯が通っていた穴(臍穴)が筋膜におおわれ徐々にふさがって いきます。でべその場合は、臍輪の閉鎖が不十分で、腹圧がかかると腸が飛び出してしまう状態をいいます。 ヘルニア内容のほとんどは腸管です。出産時のへその緒の切り方などの処置が悪いのが原因との説があり ますが、全く根拠はなく関係ありません。

経過

でべそは生れてから4ヶ月頃までは、泣いたりいきんだりしてお腹に力がはいるたびに膨らみ、 抑えるとぐじゅぐじゅと音がします。抑えると一時的に凹みますが力が入るとまた出てきます。 ピンポン玉くらいの大きさにパンパンに膨らむことがあり不安になりますが、裂けたり破れたり することはありませんので安心してください。一般に、生後1~3ヶ月頃ピークとなりますが、 寝返りやハイハイができるようになると、腹筋が発達し、それに伴ってでべそも緊張がゆるん できて徐々に小さくなってゆきます。自然治癒傾向が強く、1歳までに80%、2歳までに90%が 自然閉鎖するといわれています。

治療

でべそは、成長や発達の面では何の問題もなく、単に見た目の問題だけです。ほとんどが 自然に治癒しますのでなにも治療することなく、そのままで経過をみます。1歳過ぎても 改善傾向がない場合は、手術を考慮することになります。
でべそがとても大きいと、腸が飛び出さなくなっても皮膚のたるみが残り、見た目の「でべそ」が 残ってしまい、将来たるんだ過剰の皮膚を切除する(整形)ことがあります。最近、そうならない ためスポンジ圧迫法という治療が一部の施設で行なわれています。これはスポンジをへその部分に 当ててテープで圧迫固定するもので、早くヘルニアが治ります。生後6か月を過ぎると効果が期待 できないので、開始時期は生後3か月以内の早期に始める必要があります。難点はテープによる 皮膚のかぶれです。必ず医療機関で行なうことになります。

やってはいけないこと

①硬貨を貼る…昔からでべそを治す方法として行なわれていたようですが、効果はなく衛生面でも問題があり、絶対にやってはいけません。

②自分でスポンジなどで圧迫する…圧迫療法を考えている場合は、必ず医療機関で。自分でもできそうだからと思い行なうのは止めましょう。医療機関では特別なテープなどを使用することになります。

③さわる…気になりますが、なるべくさわらないようにしましょう。成長につれて、赤ちゃんが気になってさわり出すことがありますが、いじっていないか気をつけましょう。

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