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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

学校心臓病検診

毎年、春の新学期が始まると主に小学校、中学校、高等学校の新一年生を対象とした心臓病検診(心電図検査) が行われます。心臓病検診の主な目的は、突然死をきたす可能性のある潜在性の心疾患を発見し、専門医による 治療と生活管理指導を行うことで突然死を未然に防ぐことにあります。平成7年、学校保健法の改正により、 小、中、高1の心電図検査が義務化され、当初は省略4誘導心電図、心音図検査を行っていましたが、平成15年 からは心音図検査は中止され、現在は12誘導心電図による検査が行われています。

機械の判定による一次スクリーニングの後、判定医による判読、判定、その結果、問題があると認められた例は、 指定病院の専門医による診察、精密検査が行われます。

●受診状況

北見市の過去3年間の小、中学校の受診状況を(表1)に示します。新1年生のほぼ100%近くが検査 を受けています。希望者は、小、中、高校の全学年で検査を受けることができ、実際に多くの生徒が毎年検査を受けています。

●結果(表2)

ほぼ毎年、一次スクリーニングで2~3割がチェックされ、判定医によりその中の1~3%が専門医による精密検査が 必要と診断されています。精密検査結果を(図)に示しますが、不整脈が主であり、その中には突然死の原因となる房室 ブロックやQT延長症候群なども含まれています。

毎年、全国で学校での突然死は数十名にのぼっています。その原因の多くは心臓疾患と言われています。原因となる 心臓疾患のほとんどが、普段は特別な症状がないため、早期に見つかることはまずありません。これら潜在性心疾患 のほとんどが、心電図検査でわかります。学校心臓病検診は日本特有のシステムであり、全国規模で行っている国は 日本以外ありません。非常に精度の高い検査ですので、必ず検査を受けるようにしましょう。

小児科コラム

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