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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

小児のマイコプラズマ肺炎①

マイコプラズマ感染症は4年周期(オリンピック開催年)の流行があることが 知られていますが、最近は年度に関係なくみられ、一年を通して地域的な 小さな流行が見られる印象があります。

図に小児肺炎の原因となる微生物を示します。2歳未満ではマイコプラズマ の占める割合は低いのですが、6歳以上では約6割がマイコプラズマが原因と され、小児の市中肺炎で最も重要な起炎菌となっています。

肺炎マイコプラズマは細菌ですが、その大きさは通常の細菌より小さく、通常 細菌が保持している外側の壁がありません。細菌とウィルスの中間に位置する 存在といっても良いのかもしれません。一般に使用されているペニシリンやセフェム 系などの抗生物質は、細菌の壁を壊して菌を殺すわけですが、これらの抗生物質 は外壁を持たないのマイコプラズマには全く効果がありません。一般に マイクロライド系抗生物質(クラリス、クラリシッドなど)が有効とされています。

マイコプラズマ感染症は、身近な症患でありながら普通に使用される抗生物質 が効かないために、うっかり見逃すといつまでたっても治らないばかりか、ひどく なると肺炎で入院が必要となることがあります。

マイコプラズマ感染症は、いろいろな検査上の問題から早期に診断がつけづらく、 しかも最近はこれまで効果があったマクロライド系抗生物質が効きにくい耐性菌 の占める割合が高くなっており、治療上の問題も出てきています。

次回は、いろいろやっかいで悩みが多い感染症であるマイコプラズマ感染症の 特異性について述べていきます。

小児科コラム

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