現在使用しているワクチンは、A香港型(A/H3N2)、新型インフルエンザ(A/H1N1)、B型の3つのウイルス抗原が入った不活化ワクチンです。ワクチン接種に関して多く寄せられる質問に対してお答えしていきましょう。
インフルエンザワクチンは、発育鶏卵でワクチンウイルスを増殖させるため、数ng/ml程度の卵白アルブミン成分が混入する可能性があります。この量は大変微量であり、全身性のアレルギー反応を起こす可能性は低いとされています。しかし卵を食べてひどい症状が出る場合や検査で卵白RASTクラス5以上の場合は、慎重な対応が必要となりますので、医師にご相談を。普通、はしかやおたふくかぜワクチンを接種されている方は、問題なく接種できるものと考えています。
気管支喘息のお子さんがインフルエンザにかかると気道の過敏性が亢進して、喘息症状が悪化するといわれています。ワクチンを接種した後の気道の過敏性を検討した報告では小児、成人ともに接種前後で変化は見られておらず、問題はありません。気管支喘息のお子さんにはむしろ積極的にワクチンをすることが勧められています。
生後6ヵ月から接種可能です。それ未満では、評価が十分されていないことや、母親からの移行抗体が期待できることなどから6ヵ月からの接種となります。新生児などいる場合は、周囲の人がワクチンを接種して予防に努めるようにしましょう。
2回接種(中学生前)の場合、2回目はどのくらい間隔を空けるのが良いでしょうか?インフルエンザは毎年いくらかのずれはありますが大体11月末ごろからでてきて2~3月ごろピークとなります。通常11月から接種を開始し、年内に終了するようにします。最近は、4~5月でもインフルエンザにかかる人が多く見られていますので、あまり早くに接種することは勧められません。接種の間隔は、一週間あければ可能ですが、3~4週間あけて接種した方が抗体の上がりが良いとされています。できるだけ3~4週間あけて接種しましょう。