母乳を飲ませているお母さんも、ミルクを飲ませているお母さんも、これでちょうどよいのか、飲みすぎているのか、足りないのか、いろいろな不安をもちます。
ミルクを飲ませるほうが、月齢により大まかなミルク量が決まっていることもあり、不安は少ないかもしれません。混合栄養の場合でも、母乳をやったあとに一定量のミルクを用意し、赤ちゃんがイヤイヤするまであげることで、これまた一安心です。
しかしそれが母乳となると、これで十分なのかはっきりしないことが多く不安にもなります。赤ちゃんみんながゴクゴクいっぱいおっぱいを飲んでくれるとも限らず、反対に眠ってばかりで無理に起こしてもなかなか飲んでくれずに、体重増加に不安を強くもつお母さんもいます。
この中には、実際は母乳が不足していないにもかかわらず、人工栄養となってしまうケースがあります。その原因の多くは、産科入院中の安易なミルクの追加の習慣と、母乳不足の心配からお母さんが勝手にミルクを足してしまうことにあるようです。
特に生後1ヶ月までの赤ちゃんは哺乳後すぐ泣くことがあり、これを母乳が不足しているのではと考え、ミルクを与えてしまい、このようなことを繰り返しているうちに人工栄養に移行してしまうことがあるようです。
母乳が足りているかどうかの判断は、実際は難しいことが多く、赤ちゃんの飲み方や、お母さんのおっぱいの出方、張り方などから判断することはまちがいのもとになります。唯一、赤ちゃんの体重がきちんと増えているかどうかが決め手になるといってよいでしょう。時々体重を測ってあげて増えていれば、一安心。今の授乳方法がベストであり、飲む量の多い少ないは考えなくて良いでしょう。
体重増加は、3ヵ月検診で出生体重の倍(3ヵ月までは1日30~50gの増加)6ヶ月、9ヶ月検診でそれぞれ前の検診時より1㎏ぐらい増えていれば良く、一応の目安にしてください。