国立感染症研究所は9月14日、令和4年1月から8月に新型コロナウイルスに感染し亡くなった20歳未満の小児ら41人を対象とした調査結果を公表しました。
死亡は、0歳8人、1〜4歳10人、5〜11歳17人、12〜19歳5人、不明1人(男性23人、女性18人)の41人。1月から断続的に発生し、28週(7月11日〜)から急増(21人)しています。
41人のうち実地調査ができ、明らかな内因性死亡(外傷を除く疾病による死亡)は29例でした。0歳8人、1〜4歳6人、5〜11歳12人、12〜19歳3人。基礎疾患は、あり14人(48%)、 なし15人(52%)でした。基礎疾患のない15人について、5歳未満6人(うち0歳4人)、5歳以上9人でした。
ワクチン接種対象年齢であった5歳以上の15人のうち、未接種が13人、2回接種が2人、接種を受けていた2人はともに12歳以上であり、発症日は、最終接種日から最低3ヶ月を経過していました。
発熱23人(79%)、悪心嘔吐15人(52%)、意識障害13人(45%)、咳9人(31%)、経口摂取不良9人(31%)、けいれん8人(28%)、呼吸困難7人(24%)
循環器系の異常7人(24%:心筋炎、不整脈など)、中枢神経系の異常7人(24%:急性脳症など)、呼吸器系の異常3人(10%:肺炎など)、その他6例(21%:多臓器不全など)、 不明6人(21%)でした。発症から死亡までの日数は、0〜2日が8人、3〜6日が11人、7日以上が7人、中央値は4日です。
基礎疾患がなかった15人をみると、中枢神経系の異常5人(33%)、循環器系の異常4人(27%)、その他3人、原因不明3人であり、呼吸器系の異常で亡くなった方はいません。
今回の調査で、子どものコロナによる死亡例のうち、基礎疾患のない子どもも多く含まれていることが明らかとなりました。そのほとんどがコロナワクチンの接種は行われていません。 子どものコロナ感染者が急増し、その多くは軽症で経過していますが、中には重症化し死に至ることがあることに注視する必要があります。とくに重症化の予防目的でのワクチン接種が推奨されます。
小児においては、けいれん、意識障害などの神経症状や嘔吐、経口摂取不良などの呼吸器症状以外の全身症状の出現にも注意を払う必要があり、とくに発症後1週間の症状の経過観察が重要となります。