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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

赤ちゃんのよだれ

お母さんから「うちの子は、よだれが多くて替えたばかりのよだれ掛けが30分もしないうちにびしょびしょになってしまいます。あまりにもよだれが多くて心配です」
また「急によだれが多くなったのですが異常ではないでしょうか」などの質問をよく受けます。今回は【赤ちゃんのよだれ】について考えてみましょう。

よだれのもとの唾液は、食物の嚥下、消化を助けるだけでなく、口の中の環境を清潔にする重要な働きをしています。唾液の分泌量は詳しいことは良く分かっていないのですが、生後すぐは分泌は少なく、口の中は比較的乾いた状態にあります。

大体離乳食が始まる生後4~5ヶ月頃から量が増えて、生後1歳ごろには1日分の分泌量は100~150ccくらいになります。
赤ちゃんがしきりによだれを流すようになるのは、乳歯が生え始める生後7ヶ月前後とされています。これは分泌量の増加によるわけですが、一概にそれだけではないようです。

大人は1日に1~1.5リットルもの大量の唾液を分泌しますが、よだれを流すことなどめったにありません。これは、われわれが無意識に唾液を飲み込んでいることによります。

生後7ヶ月前後の赤ちゃんがよだれが多いのは分泌が増えているばかりでなく、飲み込むという動作が未発達であるためと考えて良さそうです。
成長とともに飲み込む量が徐々に多くなり、自然とよだれを流すことも少なくなってゆきます。普通生後15ヶ月ぐらいでよだれを出すことはなくなってゆきます。

しかしかなり個人差があります。口を結んだり口の中の物を上手に飲み込む動作がしっかり身につくようになる時期は人によって差があるからです。

赤ちゃんは、いわば生理的によだれを流すもので、その量が多少多くても少なくても全く心配する必要はありません。食事の際に唾液腺がフル活動しますから一般に食のいい子はよだれが多いというのは当てはまるかもしれません。

一方突然よだれが多くなってきた場合は、口の中の炎症が原因のことがあります。
口内炎・舌炎・咽頭・扁桃腺などであり、これらの痛み刺激が神経を介して唾液の分泌を増加させます。また口蓋の傷みのために唾液を飲み込めないためよだれが増えることもあります。よだれが急に多くなった時は、これらの炎症が関係しているかどうか医師に相談してみてください。

よだれによる口周囲の湿疹が目立つ赤ちゃんが良く見られます。多少格好が悪くてもよだれ掛けをしっかりして常に清潔を保つように心がけましょう。

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