夜になると眠くなり朝になると目覚めるのは、私たちの体にもともと備わっている体内時計が関与しています。 この体内時計に従って夜間睡眠を促すために、脳の松果体からメラトニンというホルモンが分泌されます。 メラトニンは主に夜に分泌され、光の感知で分泌が抑制されます。メラトニンは「夜が来たこと」を全身に知らせます。 具体的には、メラトニンにより脈拍、体温、血圧などを低下させることで、睡眠の準備ができたことが認識され、 自然な睡眠に入っていきます。
光を夜に浴びると、自然な睡眠を導くメラトニン分泌が抑制されます。とくにスマホなどの電子機器の画面が 放つ「ブルーライト」は、人の目で見ることができる光(可視光線)の中でももっとも波長が短く(380〜500nm)、 強いエネルギーを持っており、メラトニン分泌に強い影響を与えます。就寝時に刺激の強いブルーライトを浴びることで、 脳が「昼間」と判断してしまい、メラトニンが分泌されにくくなってしまいます。体は睡眠の準備に入ることが出来ず、寝つけない ことになります。メラトニンの分泌が後ろ倒しになり、朝になっても分泌され続けることになり、眠りの質は落ちてしまい 「よく眠れなかった」「途中で目が覚めてしまった」「朝スッキリ起きることができない」「いくら寝ても寝足りない」と感じてしまいます。
最近の研究で、同じ光の明るさでも、大人より子どもの方が光を感じやすいことが分かってきており、子どもの方が夜更かしの 影響がより強く表れるといいます。またブルーライトには、発生源に近ければ近いほど、発する量が多くなっていくという 特徴があります。そのためLEDライトやテレビより目に近い位置で使用するスマホが一番ブルーライトの量が多く、 健康とくに睡眠への影響が大きいとされています。