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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どもの気になる病気その⑨ アナフィラキシー(1)

〇アナフィラキシーは、食物(鶏卵、牛乳、小麦、そば、ピーナツなど)、 薬物、ハチ毒などが原因で起こる即時型アレルギーの総称です。
皮膚(発赤、かゆみ、じんましん)、呼吸器(息苦しさ、口腔のかゆみや違和感、喘鳴、くしゃみ) 、消化器(悪心、嘔吐、腹痛、下痢)、循環器(血圧低下、動悸など)、神経(意識障害)など 多臓器に症状が現れ、これらの中で2つ以上の重い症状が起こった場合をアナフィラキシー とします。例えば全身のじんましんと喘鳴がある場合、繰り返し嘔吐し、動悸が激しい場合などが あてはまります。さらに血圧が下がって、意識がもうろうとし生命の危険な状態をアナフィラキシーショック といいます。

〇日本におけるアナフィラキシーショックの発生は年間5,000~6,000件といわれています。
このうち図1でしめすように毎年40~70人の死亡が報告されています。

〇症状が出るまでの時間は、アレルゲンによって異なります。薬物やハチ毒は、直接体内に入るため、 時間がかかる傾向があります。しかしアナフィラキシー発現から心停止に至った例の時間をみてみると、 食物による場合でもわずか30分と短時間です。(図2)

図1)日本におけるアナフィラキシーショックによる死亡例数
小児科コラム

図2)アレルゲンによる心肺停止発現までの時間(中央値)
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119の通報から病院に搬送されるまでに要した時間は、全国平均で33.3分と報告されています。 これでは間に合いません。アナフィラキシーになった場合、事態は緊急を要します。

次回はその対応について考えてみましょう。

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