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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

母乳と嗜好品(アルコール)

アルコールは、母乳中に多く移行します。母乳中のアルコール濃度は、母体の血中濃度の80%~90%にもなります。そのピークは30~60分後です。

アルコールの成人の血中濃度は、ビール大瓶1本または日本酒1合で約30分後に最高になり、大体0.6mg/mlぐらいになるとされています。

ある報告によると、母親の血中アルコール濃度0.5mg/mlで、一回に180ccの母乳を飲む体重7kgの赤ちゃんの最高血中濃度は0.19mg/mlであったとしています。この値は心配なものではありませんが、母親の血中濃度が3mg/mlとなると、赤ちゃんの血中濃度は、1.11mg/mlにも達し、いろいろな症状がでる可能性が指摘されています。

実際に飲酒後に母乳を介して赤ちゃんに影響があったという主な報告は、ポートワイン1本を飲んで生後8ヶ月の赤ちゃんに強い抑制症状(深い眠り、徐脈)をきたしたという報告(1937年)に始まり、赤ちゃんの肝臓でのプロトロンビン合成障害からの出血例や、ほぼ毎月の大量摂取で体重の増加、身長の伸びの低下、円形の顔貌などを特徴とする偽クッシングなどの報告がその後相次いで見られています。

これらは、飲酒中止後速やかに症状の改善がみられています。時々の少量のアルコール摂取はまず問題はないようですが、習慣的な大量の摂取は好ましくありません。

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