HBe抗原陽性血の汚染による場合と母子感染予防措置は健康保険の適応となりますが、それ以外のB型肝炎予防目的でのワクチン接種は自費となります。
通常、0・5mlを4週間間隔で2回、さらに20~24週後に1回、皮下または筋肉内に注射します(10歳未満は0・25mlを使用)。抗体陽性率は92・4~96・3%ときわめて良好です。
HBs抗原・抗体陰性者にHBVを含む血液や体液による汚染事故(針刺し事故など)が起こった場合、事故後なるべく早く(遅くとも48時間以内)にHB免疫グロブリンを投与し、さらにウイルス量が多いと予測される場合(HBe抗原陽性の時など)は、ワクチン接種を併用(直後、1ヵ月、3ヵ月後の3回接種)します。
A型肝炎の頻度は、各国の衛生状態と密接に関連しています。発展途上国においても衛生環境の向上に伴い発生率はいくらか減少しつつあるようですが、それでもいまだに世界中で年間140万人の患者数が報告されています。先進国では抗体を持っている人の割合は低く、日本から海外特に発展途上国に赴任する場合は、ワクチン接種が必要となります。
0・5mlを2~4週間隔で2回、長期間抗体を維持させるためには24週後に3回目の接種をします。急ぐ場合は、0・2週の2回の接種で十分とされています。
A・B肝炎ウイルスワクチンは不活化のワクチンで、ともに安全性の高いワクチンであり、重篤な副作用の報告はありません。