2種混合ワクチンは、破傷風、ジフテリアのトキソイドが入ったもので、小学校6年生で1回接種します。熱を出すことはまずありませんが、3種の場合と同じように、接種後2~3日で接種部位がかなり腫れてしまうことが3割くらいにみられます。多くはなにもしないで治りますが、ひどい場合は湿布をします。
破傷風、ジフテリアの患者報告数を図に示します。
ジフテリアは、日本では近年みられていませんがまだ欧米でも報告例があり、ワクチン接種率が低下するとまだ流行する可能性があります。
破傷風は毎年100人前後が報告されています。年齢は、中、高年とくに70歳以上が圧倒的に多くなっています。いまだに農作業、土木作業、交通事故などで受傷したときにかかる危険があります。
このため乳幼児期の3種混合ワクチンだけでなく、小6の2種混合ワクチンもしっかり接種しておく必要があります。抗体を上げておくことで、万一受傷した場合でも、破傷風トキソイドの単独接種を追加するだけで破傷風発病の危険から逃れることができます。
最近、3種混合ワクチンを接種した人の百日咳抗体価の低下による成人の百日咳が急増していることが問題視されています。欧米では、すでに10歳以上で百日咳ワクチンを追加接種する国が増えてきています。
日本でも厚労省研究班は「11~12歳で接種する2種混合ワクチンに百日咳も加えるなど、追加接種の必要がある」ことを指摘しています。近い将来(たぶん来年?)百日咳の抗原量を減量した3種混合ワクチンを現在の2種混合ワクチンに代わって小学校6年生に接種することになります。
この数年の2種混合ワクチンの接種率は、残念ながら70%前後にとどまっています。百日咳が加えられた新しい3種混合ワクチンになった場合、さらに積極的な接種が強く望まれます。