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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子供の事故①窒息

日本の0歳を除く1~14歳までの子どもの死因の第1位は、交通事故、窒息、溺水などの不慮の事故で、全死亡数の約3分の1を占めています。この死亡率は、他の先進国と比較して高率です。

平成19年に不慮の事故で亡くなった0~4歳児は、窒息死が130人と最も多く、次いで交通事故が68人、浴槽で溺れたケースが26人で、ワースト3を占めています。そこで子どもの事故について、窒息、誤飲、誤嚥、浴槽での事故について考えてみましょう。

窒息

窒息は日本、アメリカともに0歳児の不慮の事故第1位です。

解剖学的に、鼻の方へ食べ物がいかないように防いでいる口蓋帆(ハン)と、気管へ食べ物が入るのを防ぐ喉頭蓋(ガイ)というフタがあります。乳幼児はまだその働きが鈍く、飲み込みの機能が完全となるのは5~6歳ころです。

また4歳未満の子どもでは、奥歯が完全に生えていないため食べ物を細かくすることができないため、乳幼児では窒息事故が多くなっています。

窒息事故を防ぐために

  1. 鼻や口をおおってしまいそうなハンカチやタオルなどを顔の近くに置かない。
  2. ふかふかの枕やふとんに寝かせない。ふとんは胸から下にかけ、すそはマットに折り込むようにする。乳児のうつ伏せ寝は禁忌です。
  3. 誤嚥しやすい食べ物(3歳まではピーナツは禁止)や弾力性のある食べ物(コンニャクゼリーなど)は5歳までは避ける。食べ物を柔らかく調理し、一口で食べられるようにし、よく噛んでゆっくり食べるよう指導する。

アメリカは、1995年より小児の窒息事故を防止するため、3歳以下の子どもには直径が1.75インチ(4.45㎝)以下のおもちゃを販売することを禁止する法律が施行され、これによりおもちゃによる窒息事故が有意に減少しています。

わが国にはアメリカのような明確な法的規制はなく、メーカーの自主規制に任されています。乳幼児の窒息事故を防ぐために、個々の注意ばかりではなく社会的な環境づくりが必要とされています。

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