お子さんの大きい、小さいとくに「小さい」ことはとても気になるものです。子どもの発達、発育に個人差はつきものですが、とくに身長の発達には大きな個人差があります。
しかし、今はちっちゃいけれどそのうちきっと伸びてくるのでは、と楽観的に見るのも問題です。ご両親が他の子と比較して極端に小さいなと感じる場合や、どんどん差が開いてきていると感じられる場合は注意が必要です。
保育所、幼稚園や学校で測定した身長を成長曲線に当てはめて、
低身長の原因は様々ですが、その原因の多くは遺伝や体質的なもので、ホルモンの分泌異常などの病的なものではないことが圧倒的です。
病的な低身長で、現在成長ホルモン治療の対象となるものは、お子さんの身長が小さいことを心配されて、小児科を受診されることはよくあります。その多くが成長障害とは考えられない、体質的に小柄な、健康なお子さんです。しかし治療が可能なのに受診が遅れたために、十分な効果があがらない場合もあります。
低身長は成長速度が遅いわけですので、発見が遅れれば遅れるほど標準的な身長との差は開いて、せっかく治療しても標準の身長にはなかなか追い付けなくなります。
2次性徴が発現すると、骨端線が閉鎖し骨の成長が止まってしまい、十分な治療効果が望めなくなります。低身長を心配されるようでしたら、少なくとも10歳くらいまでには、小児科医にご相談ください。なお成長曲線は、保健センターや小児科診療所などで簡単に手に入れることができます。