最近ようやく子宮頸がん、ヒブ、肺炎球菌ワクチンの公費による接種が始まり、ロタウィルスワクチンの導入、ポリオも生ワクチンから不活化ワクチンへの変更、さらに3種混合ワクチンにポリオを加えた4種混合ワクチンも開始されました。
しかし、欧米の先進国と比較し、日本のワクチン行政はまだまだ遅れているのが現状です。今後、早急に改善が望まれる点について、簡単に述べておきましょう。
- BCG→接種期間を生後3~5ヶ月とせず、1才までとする。
- ポリオ→経口ワクチン→不活化ワクチン→4種混合ワクチンとなったが、まだ供給体制が不備。さらに、将来はヒブワクチンも含めた5種混合ワクチンとなる可能性もある。
- ロタウィルスワクチン→定期接種とし接種率をあげる。
- 『ヒブ』、『肺炎球菌ワクチン』→『定期接種』とし、同時接種も勧める。現在使用されている7価の肺炎球菌ワクチンを13価のワクチンに変更。13価のワクチンには、最近特に日本でも問題になっている血清型19Aの抗原が含まれている。⇒済み
- B型肝炎ワクチン→母児感染予防などの選択的接種ではなく、すべての新生児を対象としたユニバーサル方式とする。
- 麻疹・風疹(MR)ワクチン↓接種率を100%に近づけ、日本からはしか、風疹を撲滅する。
- 『水痘』、『おたふくかぜワクチン』→『定期接種(公費)』(2回接種)とし、接種率を上げる。⇒水痘は済み
- ジフテリア・破傷風(DT)ワクチン→現在小学6年生に接種しているが、2種から百日咳を加えた3種混合ワクチンとする。
- 『子宮頸がんワクチン』→『任意接種の扱いから定期接種』とする。⇒現在はSTOP中
- インフルエンザワクチン→定期接種化が望ましいが、高齢者だけではなく乳幼児などにも医療費が助成されることが望まれる。
『』の項目は、比較的早期に実現されるのではと思われる事がらです。ワクチン接種の目的はワクチンによって防ぐことができる病気(VPD)から子どもたちを確実に守ることです。日本は20年間、新しいワクチンの導入が遅れ、多くの子どもたちがVPDの犠牲になってしまいました。
このような過ちを繰り返さないよう、ようやく必要なワクチンが接種できるようになった今、世界の標準的な方法である同時接種を活用しながら、お子さんをVPDの脅威から守ってあげましょう。