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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どもの予防接種 子宮頸がんワクチン②

ワクチンの副作用

接種部位の傷み、はれなどがみられることがありますが、深刻な副作用の報告はありません。現在、100ヵ国以上の国で使用されており、安全性の非常に高いワクチンです。

接種対象および方法

平成23年度は中学1、2、3年生、高校1、2年生の5学年が公費(無料)による対象となりました。24年度は、中学1年生のみが接種対象となりますが、今年度に限り、23年度に接種できなかった中学1~高校1年生も公費の対象となりますので、必ず接種するようにしましょう。接種回数は十分な効果を得るため3回の接種が必要であり、1ヶ月後(ガーダシルは2ヶ月後)と6ヶ月後に再接種します。ワクチンの効果を高めるためのアジュバントが添加されているために、皮下注射ではなく、すべて筋肉注射となります。主に肩部に接種しますが、接種時の痛みはそれほど強いものではありません。接種後、接種部位をもむことはしてはいけません。

がん検診の重要性

子宮頸がんワクチンは、安全性、有効性に優れたワクチンですが、ワクチンを接種すればすべての子宮頸がんを予防できるわけではありません。ワクチンに含まれないタイプのHPV(ヒトパピローマウィルス)が原因となって病変を作ることがあるからです。また既に発症しているがんの進行などを遅らせることはできません。このためワクチン接種後も自治体などが行っている定期的ながん検診は必要となります。現在日本では、子宮頸がんの検診受診率は10~20%といわれています。北見市においても2010年の受診率は18・9%でした。がん検診の重要性を啓蒙し、今後欧米並みに検診率を80%以上にする努力が求められています。

子宮頸がん征圧のために

子宮頸がんは、女性であれば誰でもかかる可能性がありますが、ワクチンによってその70%を予防し、残りを検診によって予防することができます。ワクチンは子どもたちへの接種で将来の子宮頸がんの発生を予防する、女性は検診を受けることによって前がん状態を発見し、がんになる前に子宮を取ることなく治療することができます。

HPV感染は非常にありふれた感染であり、いたずらにその危険性をあおったり、誤解を生むような情報を与えてはいけません。子宮頸がん予防のために、正しい知識を伝えてゆくことが重要で、家庭や学校関係者の協力が必要となります。とくに子どもたちを対象としたワクチンの大切さを理解して頂き、対象となるすべての児が接種を受けることが強く望まれています。

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