『麻疹大国』返上のために
2007年(H19)5月、首都圏を中心とした大都市で麻疹(はしか)が流行しました。
はしかは5~6歳までにかかる乳幼児期の伝染病だと思われていましたが、10代、20代の若者に多くの感染者が出て、特に大学で学校閉鎖などの措置がとられ大いにマスコミをにぎわせました。
北見地区においても、しばらくはしかの発生はありませんでした。
しかし、H19年6月に3例、11月に3例、12月には13例の報告があり、その後も鎮静化することなく、毎月数例の発生がみられました。H20、4・5月は10例づつ、その後も感染者が続き、高校の3校、小学校の1校で2週間程度の学校閉鎖の措置がとられました。7月に3名の発生を最後に感染は終息しました。
結局、半年間ではしかの罹患者は52名にのぼりました。短期間にこれだけの流行をみたことは、この10年以上ありません。今回の52名のうち、5歳までの乳幼児は3割、多くは学童児で20歳以上も14名を数えました。52名のうち、7割がはしかの予防接種を受けていませんでした。
2002年に「1歳の誕生日に麻疹ワクチンをプレゼント」キャンペーンが実施され1歳児の接種率が大きく上昇しました。北見市でも接種率は88~95%でした。しかし当時は1回接種であり、また接種年数の経過とともに免疫が減弱してくることが知られています。
06年の調査では、10歳代で麻疹に対する免疫を持っていない人が60~65万人にのぼると推計されています。このような状況の下、今回の流行となったわけです。
06年からは諸外国なみの麻疹と風疹の混合ワクチンで、2回接種(第1期…満1歳~2歳未満の1年間と、第2期、小学校就学前の1年間)が開始され、さらに08年からは5年間の暫定的な措置として、中学1年生と高校3年生の接種が加わりました。これにより、2012年までに小児のほぼすべてが2回接種を受けられることになります。
流行阻止の目安となる接種率95%をめざして!
08年の全国の接種率は、13歳で85%、18歳で77%でした。北見市の最近の接種率を表に示します。中学生と高校生の接種率がもう一歩です。