生後2ヶ月ころの赤ちゃんは、疲れるまでおっぱいを飲みます。そのため母乳栄養と比較して、大きな吸引力を必要としない哺乳瓶からの授乳(人工乳の場合)では、必要以上に大量のミルクを飲むことがあります。
3ヶ月検診で、びっくりするくらい太った赤ちゃんをよく見かけます。太りすぎているといって哺乳量を制限するよう指導されているケースをよくみますが、この時期太っているからといってむやみに哺乳量を制限する必要はありません。
前回述べたように、生後3ヶ月をすぎると疲れなくても満腹になれば飲むことをやめますから、さらに哺乳量がふえてゆくこともなく、またお座りやハイハイなどの体の動きも活発になり、体重の増加は自然に抑えられてきます。
生後しばらくは時間ごとにお乳を与えますが、すこし慣れてきたら、赤ちゃんが泣いてお乳を欲しがるときに欲しがるだけ与えるやり方でよいのです。最初のうちは、1回に飲む量も、欲しがる間隔も不規則です。
とくに母乳はミルクと比較すると、胃に留まっている時間が極端に短く、すぐ腸に移行します(腹持ちが悪い)。このため赤ちゃんは、すぐ空腹のため泣き出してしまい、哺乳の回数は人工乳と比べとても多く大変です。しかし3ヶ月頃には哺乳量は大体一定してきますし、ほぼ一定の間隔をおいてお乳を欲しがるようになってきます。
3ヶ月をすぎると遊び飲みの要素も加わり、機嫌が悪いときなどおっぱいを飲まないこともよくみられます。この頃、急におっぱいを飲まなくなったという相談をよく受けます。
前に述べたように、この時期が哺乳の形の変わる転換期であることを考えると、この「ミルク嫌い」が一時的な現象であることがわかります。ジュースなど与えずに、少し我慢させて十分空腹にさせることも必要となります。そのほかの症状に気をつけながら、おおらかな気持ちで授乳させてあげてください。
ちなみに生後6ヶ月まではジュースをあげる必要は全くありません。