0157-66-2255
0157-66-2255

北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

はえば立て1

「はえば立て、立てば歩け」というのは、いつの世にも変わることのない親心です。ハイハイができるようになったり、とくに初めて歩いた時など、思わず手をたたいてしまうほど親の感激は大きいものです。

一方で「もう間もなく1歳になるのにハイハイしない」
「同じ月に生まれたお隣の赤ちゃんがもう歩き始めているのに、うちの子はまだ歩かない、大丈夫でしょうか」という相談をよく受けます。

そんな心配の多くは取り越し苦労に終わるのが普通ですが、これから数回にわたって、赤ちゃんの「ハイハイ」「歩く」について考えていきましょう。

たいていの赤ちゃんは、腹ばいで前方へ移動することができるようになる前にお腹を床につけたまま、おへそを中心とした回転運動(ピポット)をするようになります。これが現れるとまもなく腹ばいで後ずさりするようになり、さらに水泳のクロールのような動作で、お腹を床につけたまま前進することが可能になります。

このように赤ちゃんの「ハイハイ」は、ピポットに始まり、後ずさりを経て、生後7、8ヶ月ころ「クローリング」が現れ、その後「ずりばい」や「高ばい」へと発達することが普通です。高ばいができるのは平均して大体生後10ヶ月くらいでしょう。

しかし赤ちゃんによってはい方にも、はい始めの時期にもかなり個人差がみられます。

6ヶ月頃からはい始める場合もあり、11ヶ月ころになってやっとはい始める赤ちゃんもいますし、およそハイハイらしい動作を全くしない赤ちゃんも10人に1人くらい見られます。
とくに最近の住宅事情も影響してか、ハイハイなしで歩き出す子も多いようです。

実際に、ハイハイの経験がなくても正常に育ってゆく子が多いのでしょう。

しかし最近、手足を交互に動かして進む四つん這いのハイハイが、脳の機能的発達に重要な役割を持つことが知られてきています。さらに、ハイハイしないことが脳の発達に悪い影響を及ぼす可能性を指摘する声もあります。

次回は、ハイハイの持つ意味についてもう少し詳しくお話ししてみます。

Copyright © 2024 北見市 小児科 秋山こどもクリニック

小児科HOMEへ戻る