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北見小児科医師が書いた子育てアドバイス

子どものアレルギー⑨ 住居におけるアレルギー対策

環境中のアレルゲン(アレルギーの原因となる抗原物質)の中で、アレルギー疾患のもっとも大きな原因となっているのはダニアレルゲンです。また一般にホコリの中の主要なアレルゲンはダニアレルゲンです。今回は、ダニ対策について考えてみましょう。

住居の中のダニのほとんどが家ダニといわれるヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニです。

直接の原因となるのは、ダニそのものではなくダニの糞や死骸がアレルゲンとなり、アレルギー疾患を引き起こします。その中でもDer1とよばれるアレルゲンが多くかかわっています。Der1は、寝具に最も多く存在していることがわかっています。また寝室や居間の床の条件で比較すると、じゅうたんがもっとも多く、ついでゴザ、タタミ、フローリングの順となっています。1日の多くの時間を布団の中で過ごすことを考えると、寝具対策がもっとも重要なことがわかります。すべてに共通する環境整備は、「まずはじめに寝具の対策。週1回のふとんカバーの丸洗いと寝具の掃除機がけ」です。

ダニアレルゲン対策

  • 場所の順序は、まず寝具、次に寝室と居間のじゅうたん、ソファ、そしてタタミです。
  • 寝具は、ふとんカバーを週1回丸洗い、ふとん表面を掃除機で週1回、1㎡あたり20秒吸引する。ダニは人の毛やフケを好みます。枕の周囲50㎝くらいまでを重点的に掃除機をかけるようにしましょう。ふとんの中身としては、羽毛、羊毛、綿の差はありません。使用する掃除機は、一般に家庭用に市販されてる掃除機で十分です。ダニは50℃以上で死滅します。ふとんの天日干しは、真夏の炎天下でもふとんの表面は50℃、内部は30℃です。天日干しでダニが死滅することはなく、あまり効果はありません。喘息用の防ダニ布団カバーを使用してもかまいません。
  • できるだけじゅうたん、カーペットは使用しない。できなければ週1回以上掃除機を。タタミも同様に掃除します。
  • 床は、フローリングが理想的です。
  • ぬいぐるみはできるだけ置かない。置く場合は、洗えるものを選び、3ヶ月に1回洗濯する。

喘息の治癒のために、アレルゲン対策、環境整備は治療の基本であることを忘れてはいけません。とくに「週1回の寝具対策、掃除機かけ」がもっとも重要で、これによりダニアレルゲンを著しく減少させることができ、それが喘息発作を減少させることにつながります。

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